セルフ・コンパッション

セルフ・コンパッションとは、苦しいときや失敗したときに、自分自身に対して思いやりを向けることです。

セルフ・コンパッションで大切なのは「自分を甘やかすこと」ではなく、「失敗やつらさを認めながら、それでも自分自身を必要以上に責めない」という姿勢です。

自分を責め続けるのではなく、

「今、自分は何に困っているのだろう」
「本当はどんな気持ちなのだろう」
「今の自分に必要なことは何だろう」

と考えてみる。それが、自分自身を大切にする第一歩につながります。

こんなときに振り返ってみましょう

セルフ・コンパッションについて考えることは、例えば次のようなときにも役立ちます。

  • 仕事で失敗して自分を責めてしまう
  • 周囲の人と自分を比較してしまう
  • 何をしても「自分はダメだ」と思ってしまう
  • 過去の失敗を何度も思い出してしまう
  • 人には優しくできるのに、自分には厳しい
  • 頑張っているのに自分を認められない
  • 失敗すると頭の中で何度も考え続けてしまう

そんなときは、「自分に対して、親しい人にかけるような言葉をかけるとしたら何と言うだろう?」と考えてみるのも一つの方法です。

12の質問でセルフ・コンパッションをチェックしてみましょう

1セット目

1=ほとんど全くそうしない ~ 5=ほとんどいつもそうする

No.項目12345
1自分のパーソナリティの好きでないところについては理解し、やさしい目で見るようにしている。
2何か苦痛を感じることが起こったとき、その状況についてバランスのとれた見方をするようにする。
3自分の失敗は、人間のありようのひとつであると考えるようにしている。
4苦労を経験しているとき、必要とする程度に自分自身をいたわり、やさしくする。
5何かで苦しい思いをしたときには、感情を適度なバランスに保つようにする。
6自分自身にどこか不十分なところがあると感じると、多くの人も不十分であるという気持ちを共有していることを思い出すようにする。

2セット目

※1セット目とは得点の意味が逆になっています。
1=ほとんどいつもそうする ~ 5=ほとんど全くそうしない

No.項目12345
1自分にとって重要なことを失敗したとき、無力感で頭がいっぱいになる。
2気分が落ち込んだとき、多くの人がおそらく自分より幸せであるという気持ちになりがちである。
3自分にとって大切な何かに失敗したとき、自分の失敗の中でひとりぼっちでいるように感じる傾向がある。
4気分が落ち込んだときには、間違ったことすべてについて、くよくよと心配し、こだわる傾向にある。
5自分自身の欠点や不十分なところについて、不満に思っているし、批判的である。
6自分のパーソナリティの好きでないところについては、やさしくなれないし、いらだちを感じる。

得点の計算方法

12項目すべてに回答したら、得点を計算します。

1セット目の6項目は、回答した数字をそのまま使います。

例えば、1 → 1点  2 → 2点  3 → 3点 4 → 4点 5 → 5点  です。

2セット目は、得点の意味が1セット目とは逆になっています。そのため、次のように置き換えます。

回答した数字 1 → 5点  2 → 4点  3 → 3点  4 → 2点  5 → 1点

12項目すべての得点を合計します。

そして、合計得点 ÷ 12 = 平均得点となります。

例えば、12項目の合計が36点だった場合、36 ÷ 12 = 3.0

結果の見方

このチェックでは、1~5の平均得点でセルフ・コンパッションの程度を大まかに確認します。

1.0~2.5低い傾向
2.5~3.5平均的な範囲
3.5~5.0高い傾向

この数値は、あくまで自分自身への接し方を振り返るための目安です。

「3.2だから問題がある」「4.1だから大丈夫」というように、点数だけで自分を評価するものではありません。

点数が低かったらどうすればいい?

もし思ったより点数が低かったとしても、心配する必要はありません。

セルフ・コンパッションは、固定された性格ではなく、日々の経験を通して身につけていくことができる考え方・スキルとして捉えられています。

例えば、失敗したときに、

「どうして自分はこんなこともできないんだろう」

と考えていることに気づいたら、

「今回はうまくいかなかった。誰にでも失敗することはある。次にできることを考えてみよう」

と、自分に対する言葉を少し変えてみる。

それだけでも、自分自身との向き合い方を見直すきっかけになります。

今回の12項目のチェックを通して、

「自分は意外と自分に優しくできている」
「思っていた以上に自分を責めているかもしれない」
「失敗すると、いつも同じことを考えてしまう」

など、自分自身の傾向に気づくことができるかもしれません。

大切なのは、点数そのものではなく、「自分は普段、自分自身にどのように接しているのだろう」と振り返ることです。

もし、自分を責めてしまうことや、つらい気持ちが長く続いていることで悩んでいる場合は、一人で抱え込まず、誰かに話してみることも大切です。


このチェックは、セルフ・コンパッションについて自分自身を振り返るためのものです。

得点によって病気や精神状態を診断するものではありません。また、得点が高い・低いだけで、良い・悪いと判断するものでもありません。

つらさが続いている場合や、日常生活に支障が出ている場合には、必要に応じて専門家への相談をご検討ください。

参考:クリスティン・ネフ、クリストファー・ガーマー 「マインドフル・セルフ・コンパッションワークブック」p29-31